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「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」 (''Tomorrow Never Knows'') はビートルズの楽曲である。 == 解説 == 本作は、1966年にリリースされたイギリス盤公式オリジナル・アルバム『リボルバー』に収録された、ビートルズ初のサイケデリック・ロック曲。ジョン・レノンがCコードだけで作った。アルバムの最終トラックとして収録されたが、セッションでは最初に録音された。 この曲に聴かれるテープ・ループはポール・マッカートニーが考案し、ポールが取り入れた。出だしでテープ式のループ(繰返し音)が鳴り、それに合わせてミニマルなドラムやベース・ギター等の演奏が始まる。曲全体で使われたループは全部で16種類と云われ、あらかじめビートルズのメンバーがギターの音をサンプリングしたものやカモメの声などを用いたもので、特にテープ・ソロはポールが自宅で作成した。後のヒップホップやクラブ系の音楽ジャンルでのバック・トラック制作の基本であるサンプリングとループの作業を、ポピュラー音楽界でいち早く実験して成功させた試みと言える。 タイトルは、「ア・ハード・デイズ・ナイト」と同様に、リンゴ・スターが何気なく呟いた一言から取られた〔ジョージ・マーティン『メイキング・オブ・サージェント・ペパー』 水木まり訳、キネマ旬報社、1996年、121-126ページ〕。なお、当初のタイトルは"Mark I"(マルコによる福音書1)であった。 この曲は、「ダライ・ラマが山の頂上から説法しているような感じで」とジョンが指示したため、「レイン」で始めた逆回転録音をさらに進化させたような作品で、故にサイケデリックな作風に仕上がっている。逆回転による鳥の鳴き声のような音が特徴的(実際にはギターを早回しにした音)。また、この曲はモーリス・ラヴェルの「ボレロ」同様に、一つのコード(C major)で貫かれている(ただし、途中はB♭が混ざって1小節分数コードになる)。 この1コードについて、ジョンは晩年のインタビュー〔『ジョンレノンPLAYBOYインタビュー』株式会社集英社 1981年3月10日発行第1刷発行〕の中で、当初思い描いていたイメージは、数千人ものラマ教の僧侶によるお経(経典)の大合唱を意図していたためであるとも語っている。なお、ジョンが自分の声を山頂で歌う僧侶のようにしたかったために、ボーカルをハモンドオルガン用のレズリースピーカーを使ってドップラー効果を出して再現した〔。ジョージのインド音楽への傾倒により、この曲ではイントロから全編にわたってタンブーラ(インドの弦楽器)が演奏されドローン(インド音楽特有の完全五度持続低音)が表現されている〔。 歌詞は、ティモシー・リアリーがチベットの『死者の書』を基にして書いた『The Psychedelic Experience: A Manual Based on the Tibetan Book of the Dead』(現在では『チベットの死者の書―サイケデリック・バージョン』(八幡書店)として入手可能)に触発されたもの。 この曲に関して、英国ステレオLP、モノLP、米国ステレオLP、モノLP、さらに英国1stプレス・モノLP共にミックスが違う。 ビートルズのプロデューサーだったジョージ・マーティン等が手掛けたリミックス的なアルバム「ラヴ」(2006年発表)には、「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」のドラムの上に「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」のヴォーカルを乗せたキックス・ヴァージョンが収録されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「トゥモロー・ネバー・ノウズ」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Tomorrow Never Knows 」があります。 スポンサード リンク
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